「ユキばあちゃん、行ってきます。」 「おう、気を付けてのぉ。」 ………… ガラガラガラガラガラ ほんとは行きたくないの。ユキばあちゃん。 でも、ユキばあちゃんの悲しい顔を見るのはもっと嫌。 ふと、大きな神社を見上げる。 少し色がはげた赤い神殿。 この神社の中で、ユキばあちゃんが朝晩祈祷をする部屋にはまだ入れてもらったことがない。 いつか入れるといいな。 私は学校への道を急いだ。