「はぁぁぁぁ…。」

「お疲れさま。」


机に這いつくばって唸るあたしに、咲が答える。






――結局、あの後は本当に散々だった。


先輩と別れて教室に戻った途端、女の子たちに囲まれて質問攻め。
お昼ごはんも食べられないまま 5限を受け、その後の休み時間も押し寄せる女の子に圧倒されっぱなしで。

放課後も30分間走りまわり、やっと逃れたのだ。



『…さき?』

『おかえり。』



ぼろぼろになって教室に戻ると、いつもはすぐ帰る咲が 購買のパンとミルクティーを用意してあたしを待っていてくれた。

ほんと、ちょっと泣きかけたよ、あたし。
咲のこういうところ、大好き。