「そんな悪いことしないで」
「でもあたふたする白野さん、たまらなくかわいい」
「……っ」
不意打ちはずるい。
褒められているわけじゃないというのに。
「そんな反応、逆効果だよ」
神田くんが低く甘い声で言うから、ドキドキと胸がうるさくなって。
「あの、でも恥ずかしくて…」
絶対周りに見られている。
視界が奪われたため、確認できなかったけれど。
先ほどからずっと視線を感じていたから。
この状況を逃れたくて、彼に必死で訴える。
「俺、白野さんの照れ顔は大好物だからなぁ」
「な、何言って…」
日に日に神田くんの言葉が凄みを増している気がする。
結局、私の目元を覆う手は離してくれなさそうだ。
「佐久間、変態みたいだな」
彼の言葉に対し何も返せないでいたら、涼雅くんが間に入ってきてくれた。