「あー、これはあれだな。
佐久間が束縛したくなるのもわかるな」
「わかってくれた?白野さん、すぐ他の男を落としちゃうから」
「落としたことなんてないもん…!」
それこそ本物のタラシじゃないか。
まったくもって、そんなことをした覚えはない。
神に誓って言い切れる。
「無自覚が一番タチ悪いんだぞ、お前」
タチが悪いって…本当にみんな、同じことばかり言う。
神田くんも沙月ちゃんも涼雅くんも。
それほど私は悪い人間なのだろうか。
「そんなことない…」
じっと、涼雅くんを睨んでやる。
すると彼の頬が少し赤く染まった気がした。
「……っ、こっち見んな」
「涼雅くん、頬が赤くなってる……熱あるの?」
「あーっ!もうそれ以上何も言うな無自覚バカが!」
「ひ、ひどい……わっ」
すごい言われようで、思わず言い返そうとした途端。
目元が何かで塞がれてしまい、視界が真っ暗になる。
恐らく───
「涼雅と仲良くしすぎだよ」
神田くんの手が私の目元を覆っているのだろう。
そんな彼は少し拗ねたような声で私に話しかける。