その時にやっと、クラスみんなの視線がこちらに向けられていたことに気付いた。 先生の一言でみんなはバラバラと、視線を教科書に戻した。 そして私は気付いてしまった。 確かにあの遺書が握られていたはずの私の右手にはしっかりと 山内先輩に渡すための赤い合格お守りが握られていたことに…。