見事に私の下敷きになっていた彼は、制服をはたきながら私の隣の席に座った。 彼はまさに、桑田だった。 でも野球部のジャージじゃなくて、制服姿。 「おい、桑田。ケガはないのか?」 現代文の先生が、桑田に問いかけた。 「はい。野球部で鍛えてるので。重かったけど、どうってことありません。」