俺はそう一言言って、学校とは反対の方向に歩きだした。 あまり遠くないところに俺の目的地はある。 木がたくさん生えた細い道。 そこを抜けた所にある俺だけのお気に入りの場所。 「疲れた…。」 俺は細い道を抜けたところでそう言いながら伸びをした。 あまり広くないが、そこには芝生の生えた開けた場所がある。 他には何もない。 誰もここには来ない。 その何もない空間が俺を落ち着かせた。