俺は感情をむき出しにして、大きな足音を立てながら二階に上がって行った。

自分の部屋の前まで来てから、壁を思いっきり殴った。

「………。」

壁は人と違いすごく固い。

手に痛みが走る。

俺は握りしめた拳を見つめた。

少しだけ赤くなっている。

俺はもう一度強く握りしめた。

俺は人一倍不器用だった。

感情を言い表す言葉を全然知らない。