金曜夜。

待ち合わせは、

駅前の飲食店「Cat Dinning」。

グルメ雑誌なんかでよく見る、

半分居酒屋・半分バーみたいなコジャレた店だ。

そこに19時30分に待ち合わせという話だったので、

私は残業をほっぽってさっさと退社し、

久しぶりのお酒にわくわくしつつ店に向かった。



「トモちゃん! こっちこっち」

ユキの声が聞こえる。

雑踏のなか、背の高いユキの姿は目印として非常に便利だ。

私は、ユキのほうを振り向き手を振った。

「ユキ兄ひさしぶりっ」