「もし、あなたが今逃げようとしたら、また麻酔薬を嗅がせて一日眠ってもらうつもりです。そして、さっきより厳重に拘束します」

ユオも腕を組み、一歩アリスに近づく。その目は本気だとアリスは一瞬でわかった。

「一度だけのチャンスです。あなたが家に帰れるかもしれないチャンスをあげます」

ユオはそう言って、にこりと笑った。

「ここは、僕が所有している館です。この館には様々な問題を仕掛けておきました。問題を全てあなたが解くことができたなら、あなたを家に帰しましょう。ただし、一問でも解けなければ、あなたは永遠に私のものになってもらいます」

「……拒否権はないのね?」

「拒否するなら、またあなたを縛って閉じ込めます」

家に帰ることができるなら、アリスの答えは一つだ。

「……やるわ。全部解いて、家に帰る」

アリスはユオを見つめる。ユオは、「そう言うと思っていました」と笑った。

「あなたの行動は、隠しカメラで監視していますから不正などはしないようにしてください。不正をしたら、あなたを一瞬で拘束しますから。ちなみに、この部屋にもカメラを置いてあるんですよ」