私立姫ノ宮高校


門をくぐり抜けた時、懐かしい気がした。


白い校舎に対するかのような青空がとても綺麗で


思いきり息を吸ったら気が楽になった。


「あ、君だね。転校生の...」


振り返ると先生がいた


確か伊藤先生。


「竹山ルナです。よろしくお願いします。」


「竹山さん。ちょっとここにいといてね。すぐ戻るから。」


そう言って先生は走っていった。その時、


何か落ちてることに気づく。


(これは...何かの鍵...)


(確か職員室はあの辺りだった気がする)


別に届ける気などなかった。


職員室の入り口に手を伸ばした時


「竹山ルナっていう転校生とさっき話したんだけどさー、やばくね??あいつ大人っぽいし可愛すぎるんだけど。でもあの顔は絶対二股とかしてそう!今度試しに誘ってみようかな」



やっぱり


私は笑顔で職員室のドアを開けた。


「伊藤先生...ですよね!鍵、落ちてましたよ!女子更衣室の鍵ですね〜数学教師なのに、一体何するんですか?」


「えっ...!なんで...おい!職員室のドアを勝手に開けるな!」


「それは申し訳ございません。」


「分かればいいよ。そうだ!クラス案内を」


「私は1年B組ですよね?1人で行けるので大丈夫です。」

そう言って職員室から出ていった。


本当に噂通りの先生だった。




案外噂も当たっているときがあるものね。


もうすぐ夏休みらしく、部活の大会に励む生徒らしき人々が大勢いた。



久しぶりに外に出たからか、不意に目眩がした。



しかし今日は教室を見たら帰れることになっているので、教室へ向かった。



1年B組


懐かしい。


私は教室を見回した。


誰かの消しゴムが落ちている。


そんなことを考える暇はないので私は教室を出ていった。


男の人とすれ違ったが、私は見向きもしなかった