「麗美!高橋先輩待ってるから早く行ってあげな!」
美里が息切れ気味になりながら笑って言った。
「わかったぁ。ありがと!ごめんね。」
あたしは、それだけ美里と優美に言って走った。

「ごめん!」
高橋先輩の顔色をうかがう。
「大丈夫だよ。」
ちょっと笑ってくれたから、あたしは安心できた。
食堂の中から、何も知らない友達が驚きながらちゃかすように手を振っていた。
先輩達が、驚きながらこっちを見ていた。

帰り道は、お互い無言。
直接話すのは初めてで、何を喋ればいいのか全然わからなかった。
高橋先輩も気まずい感じだった。
今日は乗り換えの駅のマックに寄る予定だったから、マックに向かった。
下でごはんを買って、2階に上がった。
食べてる時もお互い喋れなくて、目が合っては笑うのを繰り返していた。

「口ちっさいなー…」
いきなり高橋先輩がつぶやいた。
「えー普通ですよ。先輩がおっきいだけだよ。」
「だって麗美、食べんの超遅いじゃん。」
高橋先輩はもう食べ終わっていて、いじわるそうに笑っていた。
そのうちあたしもやっと食べ終わって、トレーを横にどけた。
「うわっ!手もちっさ!」
机の上でいじっていたあたしの手が、高橋先輩によってほぐされた。
手が触れてドキッとした。
「てゆか高橋先輩、手ぇでかっ!」
「いや。普通だから。」
手と手を合わせる。
きゅーんってした。