名乗りのないメール。

[高橋先輩…ですよね?]

メールを送信してから一呼吸おいて、美里のメールを開こうとした。
そしたらメールを受信。
今度は"先輩"のフォルダが着信を知らせている。
開くと、そこには登録したばかりの"高橋 僚平先輩"の文字。
あたしはメールを開く。
[そうだよ☆てか鮎原さんって彼氏いんの?]
いきなりの恋愛トークに戸惑うあたし。
[別にいないですよ。なんでですか?]
[じゃあ付き合わない?]

――…えぇ!?!?いきなり!?てゆか"じゃあ"ってなに!?
なにがなんだかわからないあたしは、思わず美里に電話した。

「もしもし!美里!?」
「はいはーい。メールしてる?」
「してることはしてるけど…」
あたしはさっきのことを美里に話した。
「んー…とりあえず本気かどうか聞いてみたら?」
そう言われたあたしは、高橋先輩に返事をうった。
[本気ですか?]
すぐに返事が来る。
[本気だよ。]
「本気とか言ってるよ〜…どーしよ…」
「付き合っちゃえばいいじゃん!」
「でもいきなりだよ!?しかもあたしふられたばっかだし…」
「あー…まぁね。」
中学入ってから今まで、付き合ったのは1人。
コクったのは2人。
1人はこの間ふられた。
全員、本気で好きではなかった。
「あ゛ー…もうっ!」
「もうよくない?麗美も高橋先輩気になってたんだし☆」
「うー…」

こんな会話を何回か続けた後、あたしは決断をした。
「決めた!」

[あたしでよければ。]