休みの日。
あたしは拓の部屋に向かっていた。
今日は1人があたしの探した客で、1人が拓が探した客だった。
あたしが探した客は若かったけど、どうせなら若い方がいいって、なんの心配もしてなかった。
その客に、前の日とかに付き合いたいって言われていた。
あたしは軽く流して、とりあえず会う約束をしたんだ。

最初は拓の客で、いつも通り問題なかった。

あたしの客と会うために、あたしは待ち合わせ場所に向かった。
中に入ると、その男はいきなり手を出した。
代金は後回しだった。
終わった後、あたしが手を出した。
「え?」
男は不思議そうな顔をした。
「お金」
「え、付き合うんじゃないの?」
こいつなに言ってんの?
「そうだけど今日はもらうから」
あたしは笑顔をつくって答えた。
「今手持ちないんだよ」
「んじゃATMは?」
もらえないじゃシャレにならない。
拓に見放される。
「わかったよ」
男はしぶしぶ了解した。

あたしは男とホテルを出て、コンビニに向かった。
現金をおろす時は、あたしは画面を見なかった。
「終わったよ」
男がそう言ったので、コンビニを出て近くの駐車場に行った。

「お金なかった」
そう言って、男は1000円だけ渡した。
「え、ありえないんだけど」
さすがにそれはない。
あたしの価値そんだけ?
なにより拓が怖い。
「本気で言ってんの?」
あたしは作り笑顔をやめて、怒った顔で聞いた。
「ごめんって…
だって付き合うならお金とるのおかしくない?」
「けど今日は払ってって言ってあったでしょ?ないと困るんだけど」
「ごめん。でも今日はほんとにないから」
こいつに何を言っても無駄。
あたしは黙ってお金を受け取り、男に背中を向けてさっさと歩き出した。
後ろで男がなにか言ってたけど、ひたすら無視をした。