6月6日。

学校を終えたあたしは、客と会うために家から遠い方の地元の駅に向かった。
駅に着いたあたしは、男と連絡をとった。
「外車なんだけどわかる?」
あたしは、駅のロータリーを見渡した。
「わかんないです。色は?」
上から見ただけじゃ、よくわからなかった。
「エメラルドグリーンみたいな」
「あれ…かなあ?」
あたしは、居酒屋の前に停まっている車を見た。
とりあえず、電話を切った。
あたしは階段を降りて、その車に向かった。
車の外から中を覗くと、相手も気付いたらしく、鍵を開けてくれた。
あたしは、車に乗り込んだ。
「どーも」
そう言って、男は車を走らせた。

「どうする?このへんホテルないでしょ」
「んー…たしかに」
あたしは、拓にメールしていた。
[合流しました☆]
合流したら、メールする約束になっていた。
たしかにこの辺りにホテルはなくて、あたしも制服だったから、普通に考えて無理だった。
しばらく車を走らせた後、あたし達は結局デパートの立体駐車場の中に車を停めた。
ここに来るまでにお母さんから電話があったけど、あたしは気付かないふりをした。

「てか今日やめて、また今度にしない?」
男は、車の中でヤることを拒んでいた。
そうは言いながらも、触ってはくる。
「人いないし別によくない?」
あたしは男の手を軽くあしらいながら、笑いながら答えた。
その間も、拓からメールが来た。
[まだ?]
――やばいなー…
あたしは、すぐ拓に返事を打った。
[まだ。もうちょっと待って]
メールを打ちながらも、あたしは男を説得した。
「ねーどうすんの?」
男は優柔不断だった。
すると、拓から電話が来た。

「お前今どこいんの?」
――まじでやばい。