同じクラスだった優美に、その経路を話した。
「…まじで?」
「うん」
お互い苦笑い。
あたしがサイトの人とメールしてることは、前に話していた。
少し驚いてたけど、笑いながら
「そっか。よかったじゃん♪」
って言ってくれた。

その週の土曜日。
学校が午前中で終わるため、その日初めて慎吾に会うことになっていた。
あたしは学校が終わると、学校の最寄り駅で、白い靴下を紺に変えて、化粧をして、慎吾の最寄り駅に向かった。
慎吾は約束の時間より、少し遅れて着いた。
でも、お互い初めて会う相手。
携帯が、慎吾からの着信を伝えた。

「今どこいる?」
「駅の改札前だよ」
初めて聞く慎吾の声。
同級生とは違う、低くて落ち着いてる声だった。
「俺もその辺なんだけど…あ。わかったわかった!」
そう言って、慎吾は電話を切った。
――あたしわかってないのに…
ふと左を見ると、白っぽい服を着た、自転車を押している人がいた。
その人は、少しはにかみながらこっちに向かってきた。
――もしかして…

「超制服だね!」
明るい声で話しかけてきた慎吾。
写メより少しふっくらしたようにも見える。
「あ。うん。学校帰りだから」
「かばん貸して?」
「今日、超重いよ」
「まじ重っ!」
慎吾は、冗談っぽく笑いながら、あたしのかばんをかごに入れた。
「よしっ…じゃあ乗れっ」
「え。あたしも超重いよ?」
「大丈夫だって」
あたしは、おそるおそる慎吾の後ろにまたがった。
「んじゃ行くよー」
冷たい風と温かい日差しをうけながら、自転車は走り出した。