「あ、えーっと……。遠山さんさえよかったら隣、座る?」

「え、いいの?」


少し遠慮がちに誘ってくれた彼の言葉まで、私は素直に聞くことができた。


カタン、と椅子を引いて、お言葉に甘えて隣の席に腰かける。


それがなんだか自分でも不思議で。

いままでのようなぎこちなさとか、緊張とか、信じられないくらいに一切感じていない。


でも、その代わりに。


「優希くん」

「ん?」

……彼が、私に気を遣っているんじゃないか、なんて。

そればかりが気になってしまって、たまらず自分から口を開いた。


勝手に告白して勝手に落ち込んで、それでもそんな私を避けないでくれた優希くん。

その優しさが辛いときもあったけど、それも含めて好きだったから。



「私ね、新しく進めてるんだ」