そんなことばかり考えていて、完全にぼーっとしていた。


「じゃあ、誰もいないなら勝手に決めるぞー。せっかく席替えしたことだし……、一番前の遠山。お前に頼んだ」

「……へ?」


急に名前を呼ばれて、はっと顔を上げる。


教卓から私を見る担任が、黒板に私の名前を書いた。

その横に書いてあったのは、……"学校祭実行委員"。



「えっ、ちょ……」

「はいみんな拍手~!」


抗議をする暇もなく、担任の合図で教室内に拍手が響く。


あっという間の出来事。急すぎる展開に、唖然とした。


斜め後ろ振り返れば拓海まで拍手していて、"バーカ"と呆れ顔で口パクされる始末。