……なんてことを思ってしまうくらいには、私は不覚にもいま目の前のこの人のことを好きになっているわけで。
また片想い、かぁ。
そんなことが頭をよぎって、心の中で自嘲した。
拓海が私のことを好きになってくれることはあるんだろうか。
まだ、恋をする気にはならないかな。
拓海のことでこんなに想う日が来るとは思ってもみなかった。
私たちは、良くも悪くも距離が近いから。
「昼休みは日替わりでお互いの席で弁当食うか」
「よーしっ、じゃあ今日は私がそっち行くね」
拓海の一番近くにいる女の子は私だけれど、それが恋愛対象になるかはわからない。
この距離感にいる私を、拓海はどう思っているんだろう。