HRが終わった瞬間、拓海は私の席までやってきた。


「まじ、お前遠すぎ」

「それはお互い様でしょ」


私の机の前にしゃがみこむようにして、拓海は机の上に顎をのせる。


今までとは低い目線。

それはそれでちょっぴり可愛いと思ってしまうのはどうしようもない。



「あはは、拓海くんが寂しがってる〜」

「ふたりいつも一緒だったのにね」


近くの席にいたクラスメイトが、そんな拓海を見てケラケラ笑った。


他からもそう見られるくらいには、拓海も私と離れて寂しいと思ってくれてるんだろうか。


実際のところ、私たちが付き合ってるかどうかだなんて、確信を持ってる人はほぼいないし。

席が離れた私たちってどう見えているんだろう。