我ながら、どっかの恋愛漫画の名脇役だ。


でも、いまならわかる。好きな人に幸せになってほしいっていう想い。


願わくば幸せにするのは自分であってほしいけれど、彼を幸せにできるのはあの子だけ。



「……ごめん」

「ううん、優希くんを好きになれてよかった。白石さんのこと、泣かせないであげて」


……私、いま笑えてるかな。


精一杯に笑って、私は去っていく優希くんの背中を眺めた。



あっという間の出来事だったけれど、なんだかちょっと体が軽い。


「……私にはあんな顔させられないもんなぁ」


窓の外で倒れているホウキ眺めながら、ポツリとこぼす。


……終わった、私の初恋。