……去年、誰も気づかなかった私のケガに1番に気づいて助けてくれた。
たくさん話すような仲ではなかったのに、2年に上がっても廊下で会うたびに私の名前を呼んで笑ってくれた。
体育祭でまたケガした私を、保健室まで連れてって手当てをしてくれた。
私に笑顔をくれて、優しさをくれて、……こんな私に、恋する気持ちを教えてくれた。
私の……初恋の人。
「ありがとう」
数秒の沈黙のあとで、優希くんは少し困ったようににこりと笑った。
「遠山さんの気持ち、すごく嬉しいよ」
あぁ、もうその言葉だけでいい。十分だよ。
だから、そんな顔しないで。