そんな優希くんが、少し驚いた顔をした気がした。
それが今日のお化粧のことなのかと少し想像はついたけれど、それがどういう意味のリアクションなのかはわからなくて。
……似合ってる?それとも、引いてる?
告白紛いなことをしてきた女子が翌日に滅多にしないお化粧をしてくるって、男子的にはどうなんだろう。
どうしよう、そっちのことをまるで考えてなかった。
そんな疑心暗鬼で頭が占領されて、これ以上かける言葉がもう見つからず。
ただ優希くんがなにか口を開いてくれるのを待つばかり。
「おはよう、遠山さん」
時間にしてみたら、たったの数秒。
それなのに、優希くんからのその何気ない挨拶を聞くまでがひどく長く感じた。