「ほらほら〜、そうやってまたイチャつきやがって」

「は?どこがだよ」


そんな私達を見て、また男子たちはからかう。


たぶん頭を撫でることを言ってるんだろう。私だって彼らに同意見だ。


けれど拓海にとってこれはコミュニケーションのひとつで、なんの恋愛感情もない。

私たちは、ただの同盟。仲間だ。



「……ねぇ、それくらいにしといたら?」


ふと、背後から別の声が聞こえた。



ドクン。


その落ち着いたトーンを聞いただけなのに、私の心臓は大きな音を立てて思考が完全に停止する。