た、たしかにそう滅多にお化粧なんてしてこないけど……!
「へ、変なのは知ってるから!だからそんなに見ないで!」
これ以上見られることに耐えられなくて思わず声を上げると、なぜか彼らは驚いたように目を丸くした。
「えっ、いや、変っつーか」
「むしろ……なぁ?唐沢」
「は?俺に振るなよ」
みんな揃いも揃って目配せして、最終的に全視線は拓海へ。
私も意味がわからなくて拓海を見たけれど、本人はめんどくさそうに顔をしかめた。
「無駄無駄。こいつなに言っても動じないし、なにより信じねぇよ」
「ねぇ、なんの話よ」
「んーん。杏ちゃんは気にしなくていいの」
ぽんぽんと私の頭を撫でる拓海は、完全にバカにしてる。
なんの話をしているのかはわからないけれど、それだけは私にも分かった。