もはやここまで来たらノリかもしれない。


中には私たちが好きあってないこともわかっている人もいるだろう。


それでも、なにが楽しいのかニヤニヤした視線を向けてくる。

拓海が男女問わずの人気者だから、なおさら。



「てか遠山、今日なんか違くね?」

「あー、まじだ。化粧?」


からかっていた男子たちが、ふと私の顔を見た。


気づいてもらえるようにお化粧をしてきたけれど、そこまで見られるとなんだか恥ずかしい。


そんなに珍しいのか、かなりまじまじと見てくるものだから、私は顔を背けた。