「でも、今日の私はどう?」
「んだよそれ。言わせてぇの?」
そんな拓海ににこりと自分でも引くくらい笑顔を作ってみると、彼は「うわ」と顔をしかめた。
あ、なんかショック。
そんな顔しなくてもいいじゃない。
そうは思いつつも、私はそんな言動も気にせずまたにこりと笑う。
拓海がリアクションしたのは、私の今日の顔。
いままではリップくらいで済ませていたけれど、今日は少しお化粧をして来た。
あくまでもナチュラルにだけど。だって学校だし。
うちの学校はゆるめだから、ガッツリメイクでない限り注意はされない。
「……怖いんだけど、その笑顔」
「え〜。ちょっとでも可愛くしようと思ってやってるのに」
やっぱり顔をしかめる拓海に対しても、あくまでも私は笑顔で返す。
優希くんに少しでも可愛いと思ってもらいたいから、私は今日は笑顔を崩さない。