「??俺の顔に何かついてる?」

『え、あ、ごめんなさい。
少し驚いてしまって…』

「ああ、ごめんね。
でも、こんな時間に一人でいたら危ないよ?
家はどこ?近くまで送ってあげる」

『え?いえ、大丈夫です』

だって、家なんてないもの。

「・・・もしかして帰る家、ないの?」

『え…』

目の前の彼に図星をつかれて、
戸惑ってしまった。

どうして、分かったの?

「じゃあ、俺のとこ来る?」

そう言ってわたしに手を差し伸べた彼が、
あまりにも綺麗に笑うから…

『・・・うん』

気づけばわたしは彼の手を取り
そう返事をしていた…