母親の都合で、転校すること3回目。

初めは打ち解けようとしたけど、それも面倒でやめた。どうせ、この学校もまた退学することになるだろうし。

転校して1週間で、サボるのに便利な場所を見つけた。立ち入り禁止の文字が踊ってる扉を開けると、青い空が広がっている。

大きく伸びをして、それからフェンス越しに自分の教室を覗いた。同級生達はまぁ真面目に授業を受けているようだ。

屋上で授業をサボるのは初めてじゃない。最初はドキドキと奏でた胸も、今は通常運転だ。

地べたに寝そべって、仰向けで空を眺める。流れていく雲を視界に捉えては離し、捉えては離しを繰り返していると、視界の端に白い裾が映った。

「サボりか」

心臓が飛び出る、なんて表現が出るほど、驚いた。慌てて身を起こすと、そこには見つかるとマズイ人が立っていた。