そのとき、ふと。俺は見てしまったんだ。

 俺は馬鹿だから、ついいつもの調子で。

 
 そしたら居たんだ。

 ――最前列に、屈んで手を伸ばしたら、さわれそうなほど近くに。



 いつもどおりの笑顔の、茜と創が。


 そこに当たり前の日常の延長線のように、存在していたんだ。