朋世はなんとか前の三人に追いついて、彼らの行方を恐る恐る監視する。
要と若奈を風見が追い、その後を朋世が尾行していた。
(はた)から見れば、十分妙な光景にうつる事だろう。
途中、要の方から若奈の手を握った。

「うわっ……」

なんだかいけないものを見てしまったようで、朋世は一瞬目を手で覆い隠した。
少ししてチラッと覗くと、風間が自らの拳を強く握りしめている。
それだけで、彼がどれほどイライラしているかが分かる。

要と若奈は今日も仲良くカフェ“sitoron”に入っていく。
今日もカフェデートか……と朋世の気持ちは胸やけしてしまいそうなほどお腹一杯だ。
しかし、二人は意外なほど早く店を出てきた。手にはお揃いのカフェラテカップを持って。