「まぁ、でもさ……サッカー部のエースより将来有望なエリートだよね。将来、サッカー選手の有力候補っていうなら考えるけどさ」
「あいったら言い過ぎ」
「ごめん、ごめん」

あいは手を合わせて茶目っ気溢れる謝罪をする。



若奈も要君も何を考えているのかさっぱり分からない――…



朋世は深いため息をつく。

「ねぇ、今日の放課後クレープ食べに行こうよ!」

心のモヤモヤがおさまらない朋世とは裏腹に、あいは明るく彼女を誘う。
気晴らしでもしないと心が病んでしまいそうで、朋世は頷いて「いいよ」とその誘いを受けることにした。

「はい、皆席に付けよ」

その時、ちょうど担任の教師が教室に入ってきてHRが開始される。
朋世はHRの間中、食べたいクレープの味を頭の中でずっとイメージし続けた。