純は2年後に迎えに来てほしいと言いました。高校を卒業したら、です。でも、もうそれもできないのです。

死んでしまったのです、ぼくは。
そしてもう、元居た世界で誰かの悩みを聞くことも無くなりました。

解放されたような、どこか寂しいような感覚です。
これで良かったとは思わない、でも、あのままでは何も変わらなかったのです。


純が死んで、その原因が分からないままなんて、嫌だったのです。
純のために何かをしてあげたかったのです。


それが誘拐した5人の高校生を傷つけ、不安に陥れ、死への恐怖を味わわせる最悪の結果になる事とは知らずに。