その後、時間になっても女の子は相談室には現れませんでした。
午後五時から六時までの一時間のはずなのに、五時二十分を過ぎても来ないのです。
教室を間違えているんでしょうか。それともカウンセリングを忘れているとか。
......。それはショックですね、忘れないでいただきたい。
まさか先生が嘘を言うなんてあり得ません。
立場上僕は先生方よりは下ですが、子供たちの教育に携わっている点では尊敬しているのです。
それに今までで騙されたことなんて、一度も――
「ごめんなさい!!」
「っわ!」
勢いよくドアが開いたのは、本当に突然のことでした。