「黒崎先生が先生と生徒だって言ったのに、幼なじみとして見てるじゃないですか」


これは騙された。
こいつ、絶対わざとやった。


「先生?どうかしましたか?」


少なからず彼が机越しに距離を詰めてきた。


「な、何?どうしたの?」


私は急いで智也との距離をあける。
このまま智也のペースに巻き込まれたら負けだ。


「あれ?この前もでしたけど、何か焦ってません?」


「焦ってなんかないわ。
早くやるわよ」


「はい、じゃあ先生早く書いてください」


智也にそう言われ、シャーペンを持ち紙に書き込む。
その途中に突然智也の手が私の手を包むように添えた。