「はい。受験勉強を始めてる生徒の過去問で、わからないところを教えてるんですが…わかりやすいと言ってもらえて良かったです」

「実は校長や教頭も黒崎先生をすごく褒めててね。期待してるんだ。それでお願いしたいんだが、大丈夫かな?」


そんなこと言われると、断れるわけがない。


だから私は快く受け入れる。
この時まではまだ良かったのに。


「ありがとう。
じゃあ今日の放課後、講義室に行ってほしい」

「講義室、ですか?」

どうして講義室に行かないといけないのか。
それがわからなくて、思わず復唱してしまう。