「だって本当のことだから」
「これ以上煽るなって…」
「好きだよ智也」


煽っているつもりはない。
本心だから。

全部思っていることを口にしているだけ。


「すぐ俺を狂わせる」
「狂わせたらどうなる?」

「綾をめちゃくちゃにする」
「じゃあ今日は、それを希望しようかな」


今はただただ愛されたい。
智也になら、なんでもいいと思った。

強引だけれど優しい智也を、私は好きになったのだから。


「言ったな?
もう、知らねぇから」

少し強引に唇を塞がれる。

うん、言ったよ。
今日は智也に溺れていたい。


私はそっと目を閉じて、智也のキスを受け入れた。


甘い夜はまだ始まったばかり───