少しの間その状態だったけれど、智也がゆっくりと私から離れた。

しばらく見つめ合う私たち。
そしてどちらからともなく笑い合う。


「もう明後日から入試で忙しくなるから、智也に会えなくなるの嫌だなぁ」

「何言ってんだよ、家近いんだしいつでも会えるだろ」

「そうだけど……時間は限られるから」


今からでも憂鬱だ。
ずっと智也のそばにいたい、なんて。


「なんで今そんな可愛いこと言うかな」


小さくため息をつく智也。