「……綾」
「な、何…」
いきなり不機嫌になるものだから、つい怖気付いてしまう私も私だ。
これじゃあ大人もクソもない。
「俺はそっちの方が不満だから。他の男に対して本気だったとか、聞くだけで腹がたつ」
どうやら不機嫌な理由は嫉妬のようで。
これじゃあお互い様だ。
「智也こそ、いつ女遊び再開するかわからないじゃ…」
負けじと言い返そうとしたら、突然智也が私の腰に手をまわし、自分の元へと引き寄せてきた。
「夜、覚えとけよ」
「……っ」
「女遊びしてた分も全部、綾にいくってこと、忘れたらダメだから」
色気満載の声に手つき。
ダメだ、やっぱりドキドキしてしまう。
「そ、そんなの体もたない」
「ならゆっくり消費で」
「どういうこと…」
「毎日するとか?」
「き、嫌い…!この変態野郎!」
すぐそういうことを言う智也。
そんな彼は私の反応を見て小さく笑い、私なんかより何枚も上手だった。