それに智也が悪い。

この容姿だからモテるし、性格もいいし、勉強もスポーツもできる。


モテて当然だし、女遊びしていた過去があるから余計に不安になるのだ。



「……なんだよ」


じっと智也の横顔を見つめていたら、視線に気づいたのかこちらを向いた。


「いや、なんでも……」
「なんでもって、そんな見られるとさすがに恥ずいから」


いや、全然恥ずかしそうには見えない。


「恥ずかしくないくせに」
「さぁ?それに、綾こそ何か言いたいことあるんじゃねぇの?」


顔に出てる、と智也に指摘された。