「その幼なじみと付き合ってんの。
じゃあもう行くわ」
智也がそう言うと、女子たちは騒ぎ出してしまう。
「えー!智也くんおめでとう!!」
「これは折れるしかないわ、お幸せに!」
そこまで喜ぶかってくらい嬉しそうにされて、嫉妬してしまった自分が嫌になる。
そんな気持ちでいると、智也が私の方へやってきた。
「勝手にどっか行こうとすんなよ」
「ご、ごめん…」
こんなことで感情が左右されるだなんて、単純すぎる自分。
なんか、もっと大人の余裕が欲しい。
智也の方が余裕があってどうする。
その余裕は、自分自身でなくさせてるのだけれど。