「ねぇ、智也くんは大学どこになったの?」
「ちょっと今から話そうよ」


一人の女子が智也に触れる。

もう見ていられない。
こういうのって見るから嫌になるのだ。


そのため、とりあえず近くの店に入ろうと思った時───


「ごめん、俺彼女と来てるから。
元5組の集まりも多分行かねぇ」


きっぱりと断る智也。
思わず立ち止まってしまう。


「うそ!彼女!?」
「じゃあ初恋の幼なじみとはどうなったの!?」


初恋の、幼なじみ───


自惚れじゃない。
恐らくその幼なじみとは私のこと。

どうやら智也は前から私のことが好きだと公言していたらしい。


それがかなり嬉しくて、頬が緩んでしまう。