少し落ち込んでいると、インターフォンが鳴った。
「あっ!来たわよ綾!」
なんか、お母さんの方がはしゃいでいるため、逆に冷静になる私。
どうしてお母さんがそんなに嬉しいそうなのだろうか。
そう思いながらも、玄関に行ってドアを開ける。
いつも通り接しようと思っていたのだけれど、視界に映った彼がかっこいいあまり、思わずドキッとしてしまう。
本気で智也は十八歳なのだろうかと疑うほどの容姿。
いつもと違う智也の雰囲気。
高校生らしさは一切感じられず、見惚れそうになる。
「あれ。綾、まだ行かないの?」
少しの間彼を詰めていると、お母さんに声をかけられてはっと我に返る。
「行ってくるね」
そう言って私は智也の元へと歩き出した。