「綾ー!もうそろそろだよー!」
「わかってるー!準備完璧だから!」
お母さんの声が聞こえてきて、急いでリビングに降りる。
あれから一週間以上経ち、今日は休日。
その上、早速智也とデートする日でもあった。
ちなみに初デートはお泊りという、中々にハードルが高い。
もちろん用意したのは私たちの親だ。
まあ、もう高校生じゃないんだからいつまでも純情な恋をしてるわけにはいかないけれど。
「あら、綾。
今日は一段と綺麗ね、気合い入れた?」
「いつも通りです!」
なんていうのは嘘。
ちゃんとメイク、頑張った。
だって相手はあの智也だ。
誰もが認めるイケメンなのだ。
それ相応の顔にならないといけない。
智也はそういうこと、気にしないと思うけれど。
私が気にするので頑張ったのだ。
もちろんメイクしたところで智也と肩を並べられるとは思わないが。