うさぎside
僕達は見つめたまま暫く固まった。
その雰囲気を壊したのは、
いつも僕を襲ってくるオオカミさんだ。
「うさぎ、今日こそ俺と付き合ってもらう。」
オオカミさんが、
うさぎになったオオカミを押し倒す。
「うわっ、なんだよ!」
オオカミは、
オオカミさんを罵倒しながらバタバタしている。
あれ?
これいつも僕がやられてることだ。
そうだ、
僕は力も弱いし抵抗しても、
何も変わらないんだ。
だから、
オオカミが助けてくれるのを待つしかないんだ。
でも、
オオカミ目線で見たら、
それはじゃれているように見える。
僕もそう思うってことは、
もしかして、
オオカミもそう思ってるってこと…?
…ごめんねオオカミ。
僕、自分のことしか考えてなかった。
オオカミ、僕は君を助けるよ!