花火大会当日。
早く準備をして匠海に会いに行こう!
ワクワクしながら準備をしていると1本の電話が来た。
「もしもし」
「もしもし。緊急治療病院の藤田と申します。」
緊急治療病院!?なんで病院から?

嫌な予感がした…。
「高橋美羽さんでしょうか?」
「はい。そうですけど」
「お母さんが自転車で走行中に車に跳ねられて意識不明の重体です。今すぐ病院まで来てもらってもいいでしょうか?」
お母さんが車に!?病院?パニックになりながら時計を見た。
待ち合わせの時間まであと1時間。
家からだと病院まではかなり時間がかかる。

急いで匠海に電話をかける。
「…」
いくら待っても出ない、
とにかく病院に行くことにした。

病院に着くとお母さんがベットの上に寝ていて、痛々しい傷があるのが分かる。
病院の先生に話しを聞くと頭を打ったので気を失っているが、軽いケガだからすぐに目を覚ますだろうとのこと。
しばらくお母さんの手を握っているとピクッと動いたのが分かる
目が開いた。

「お母さん!お母さん!」
「美羽、心配かけてごめんね。」
お母さんが目を覚ましてとても安心した。
頭を打ったから検査などで2、3日入院になるらしい

ふと時間見たら待ち合わせの時間を1時間も過ぎていた。
電話はまだ繋がらない。
急いで待ち合わせ場所に行くと匠海がいた

「ごめんね、遅れて」
約2時間ほど遅刻していた。
「大丈夫だよ。それより何かあったの?」
「お母さんが車に跳ねられて、もう大丈夫なんだけど…本当ごめん。」
匠海は安心した顔で私を見た
「美羽に何かあったのか心配したよ。お母さん、本当にもう大丈夫なの?」
「うん、2、3日入院するけど大丈夫みたい」

2人で花火を見て、最後の花火が上がる瞬間。
匠海が私の唇にそっとキスをした。
花火が終わり、お互い顔が良く見えないけど匠海が照れてるように見えた。