「え、」
その言葉に驚きが隠せなくなった。涙が止まらない。
「治るんだよね?大丈夫だよね?」

私は泣きながら匠海の返事を待っていた。
だけど、匠海は何も言わない。

余命1年と言われて治る確率はほぼない。
そんな事知っていた。でも、匠海に死んで欲しくない。
ずっと匠海と一緒にいたい。
まだ好きという想いも伝えていないのに。
そんな短いなんて…

匠海が辛いって事は分かっているけど、励ます言葉は今の私には1つも言えない。
昔から一緒にいた匠海が…
ずっと大好きだった匠海が…
いなくなったら嫌だ、そんな事ばかり考えて、泣いて
匠海は私が、泣いている時ずっと抱きしめてくれていた。

そんな優しい匠海に私が何か出来る事はないか
考えた。でも何も思いつかない。

それから毎日のように泣いた。
泣いても泣いてもどうにも出来なく、ただ時間だけが過ぎていく。
匠海に会うのが怖くて、会えなくなるのが怖くて、
学校を休むようになった。

夏休みになって晴香が毎日家に来てくれた。
「美羽、匠海くんに会ってきなよ。ちゃんと向き合って匠海くんに私達から最高の思い出を作ってあげよう!」
会いに行ったらまた目の前で泣いちゃいそうで…
余計匠海を傷つけてしますかもしれない。
でも、匠海に会いたい。

晴香が背中を押してくれて会いに行くことにした。
匠海はいつもみたいに笑顔で話してくれて安心だった

夏休み明けに匠海の入院が決まってそれまで皆で沢山遊ぶ事になった。
明日は花火大会がある。
匠海を誘って2人で行くことになり、浴衣選びに苦戦している(汗)
せっかく2人きりだからオシャレをしないと!
楽しみのあまりあまり眠れなかった。