「リラ?」

声をかけるとリラはぱちりと目を開き、私と目が合うとぱあっと輝くような笑顔を浮かべた。

「ママ!」

「リラ、大丈夫? どこか痛いところはない?」

「うん、ないよ。ママむかえにきてくれたの?」

リラは邪気の無い顔で私を見上げる。

ああ、本当に無事で良かった。

ぎゅっと抱きしめるとリラが驚いたように声を上げた。

「ママ、くるしーよ」

「あ、ごめんね」

腕の力を解くとリラはキョロキョロと辺りを見回し始めた。

そしてレオンに気付くと、私の腕の中から抜け出すようにレオンに手を伸ばした。

「レオン!」

レオンも嬉しそうにリラに手を伸ばす。

「ゆっくり寝ていたみたいだな」

とても柔らかな声だ。

「うん」

リラはレオンに抱かれると、満足そうに彼を見上げて言った。

「レオンはリラのパパなの?」

思いがけないその言葉に、私もレオンも驚き固まってしまった。