煙草を揉み消し、寝ることにした。

薄い、弾力の無い布団に躰を横たえる。

朝シャワーを浴びるとして、出勤が九時半だから、起きるのは九時頃で大丈夫。

俺は簡単に頭の中で明日の予定を組み立てる。時計は既に深夜の二時を指していた。

あのクソ店長、レジ閉めに何時間かかってやがる。俺がやったらもっと、
 
もっと?
 
俺がレジを閉める日は、来るのだろうか。
 
疲労困憊の躰は早く眠りにつきたいと急かすが、急激に頭が覚醒してバランスが取れない。

歯磨きを忘れた口の中は煙草の香りと、ほんの僅かなオレンジが混在していて、気持ちが悪い。
 
いつまでこんな日々が続くのだろう。
 
辞める勇気も、存在しない。