メッセージはそれだけだった。

たったの七秒。

本当に久しぶりに聞いた声だった。

週二回の休みを睡眠に費やす俺は、研修が始まってからほとんど実家に帰っていない。

二ヶ月に一回くらいは美和子と会っていたが、それも彼女が俺のところまで足を運んだ。前の社員がここを出て行って一人になった俺は、コレ幸いとわざわざ会いに来た彼女を連れ込み、二人でのんびりと過ごした。

美和子は何も言わずそんな俺に付き合っていたが、そういえばここ最近連絡が無い。
 
ゴールデンウィークは、いつ帰ってくるの、だって。

ご飯なんてありませんからね、だって。
 
二十四の息子に発する言葉とは思えない。

俺は、何だかとても惨めな気分になって、母親のメッセージを口の中で反芻した。

連休など、飲食店にとって一番の稼ぎ時だ。

お盆、年末年始、ゴールデンウィーク。この三つで稼がずいつ稼ぐ。

息子の仕事を何も知ろうとせずメッセージを入れた母親に、無性に腹が立った。